30年以内の発生確率が60~70%程度とされるマグニチュード(M)8・1前後の東南海地震。震源域の紀伊半島沖で今月、地球深部探査船「ちきゅう」によるプレート(岩板)境界に向けた掘削作業が始まった。日米主導で海底下の巨大地震断層の岩石試料を直接採取し、坑内に観測装置を設置する世界初の試み。深海底に張り巡らせた地震・津波観測監視システム「DONET」も並行して稼働を始めた。発生予測の高精度化や被害軽減などを目指し、強力な布陣で巨大地震のメカニズムに迫ろうとしている。
■標的は東南海地震
フィリピン海プレートがユーラシアプレートに沈み込む太平洋岸には東海、東南海、南海地震の震源域が連なり、M8クラスの海溝型巨大地震が過去に何度も日本列島を襲ってきた。
3つの地震は相互に関連しており、過去数百年の事例などから最初に東南海地震が発生し、南海、東海地震へと連動していくと考えられている。
そこで東南海地震に的を絞り、震源域の紀伊半島沖熊野灘の地下を詳細に調査するため2007(平成19)年に始まったのが、日米主導による統合国際深海掘削計画(IODP)の「南海トラフ地震発生...