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震災に学ぶ和歌山の試み 過去の教訓と「釜石式」生かせ

東海、東南海、南海地震が想定される和歌山県は、台風12号による豪雨で南部を中心に津波を思わせるような大被害を受けた。避難指示のなかった地域で死者も出た「想定外」の事態に、自治体に頼らない自助・共助の大切さが叫ばれている。和歌山県では今、子供を中心に地域防災力を高めようと、東日本大震災のみならず、安政と昭和の南海地震など過去の地元の教訓をも生かした新たな防災教育作りに取り組んでいる。◆教材作り   和歌山市を含め約3分の2の自治体が海岸線をもつ和歌山県。津波との付き合いも古く、物語「稲むらの火」のモデルとなった安政南海地震での濱口梧陵(はまぐちごりょう)の功績を小学校の副教材に盛り込むなど防災教育には比較的熱心だった。「奇跡」と呼ばれた岩手県釜石市の防災教育にも、そのノウハウは生かされたという。  昨年度からは、昭和21年の南海地震の教訓を盛り込んだ副教材作りにも取り組んできた。避難準備に手間取ったり海を見に行ったりして逃げ遅れそうになる体験なども、地元の人が語ることで臨場感が出る。  証言は地震当時5歳から29歳だった男女78人に聞き取り。なかでも、教訓を含...

津波の恐怖 高さ数十センチでも危険!

南米チリの大地震による津波は日本にも到達したが、沿岸自治体の指示や勧告に従って避難所へ向かう人は少なかった。専門家は「東南海・南海地震がいずれ起きることを考えれば、もっと危機感を持ってほしい」と指摘する。   高知県に津波の第1波が到達した直後の2月28日午後3時半ごろ、岡村真・高知大教授(地震地質学)は土佐市の海岸を高台から見て驚いた。サーフィンや犬の散歩をする人がいて、近くの学校ではサッカーの練習が続いていた。次第に海面が盛り上がり、隣の高知市では高さ30センチを観測。「岸壁を越えれば人や車が流されたかもしれない。実は危険な状況だった」  同じような光景はあちこちで見られた。海上保安庁が確認しただけでも、津波警報発令中に全国各地で計約1100人のサーファーらが海に出ていたという。  高知県の一部では全国で最も高い1.2メートルの津波が観測された。沿岸の13市町村は被害の恐れのある地域の4万1576世帯、9万1639人に避難勧告を出したが、避難所を訪れたのは約2%の1638人にとどまった。今回は地震発生から津波到達までほぼ1日かかっており、岡村教授は「事...