耐震補強は下半身をしっかりと――。ゆっくりした揺れが何分間も続き、高層ビルなどに大きな被害をもたらすとされる「長周期地震動」に対し、5分の1の高さまでの階に対策を施すだけで、ビル全体の被害を大幅に減らせる可能性のあることが、防災科学技術研究所の大型震動台・Eディフェンス(兵庫県三木市)での実験でわかった。担当者は「高層ビルの震災対策の低コスト化につながるのではないか」としている。
実験では、4階建ての鉄骨造りの上にゴムとおもりを重ね、21階建て(約80メートル)のビルと同じ揺れ方をする建物を使った。油圧で揺れを抑えるオイルダンパーで1~4階部分を耐震補強し、東海・東南海地震の際に名古屋市で予想される揺れ(震度5強)を再現。その結果、耐震補強を全くしなかった昨年3月の実験に比べ、建物の変形は1~4階部分で半減、それ以上の高層部分でも2割程度減った。
昨年3月の実験では、各階の梁(はり)が変形し、2、3階では一部のつなぎ目が壊れた。今回の実験では、約5分間の揺れの後でも建物に大きな被害はなかった。低層部分に設置したダンパーが、高層部分も含めた建物全体に掛かる力を吸...